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祈祷師の娘

 

祈祷師の娘 (福音館創作童話シリーズ)

祈祷師の娘 (福音館創作童話シリーズ)

 

 中学1年の少女春永(ハルナガ)がおとうさんと呼んでいるのは血の繋がらない義父。おかあさんとよんでいるのはその妹。本当の母さんは、私が小さい頃、私を置いて家を出ていった。うちは“おがみや”とよばれ、おかあさんは祈祷師をやっている。おかあさんの血をひく和花ちゃんは、祈祷師としての素質がある。だけど血の繋がらない私は、毎日水行をしてもダメ、舞台は柏から私鉄でいった東京近郊の農村。ていねいに書いてあるが、祈祷師としての業への恐怖感は持つほうが自然じゃないのか? なぜ母親は春永を置いていったのか? 少女マンガの主人公になりきりがちの友人久美ちゃんの妙にステレオタイプのキャラなど、しっくりこないところが残り違和感が残り、ちょっと残念。