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水深五尋

 

水深五尋

水深五尋

 

 『機関銃要塞の少年たち』続編。チャスは、労働者階級の父を持つが優秀な少年。偶然拾った謎の装置から、ドイツのスパイの存在を感じ、スパイ探しを始める。幼馴染でちょっとイカレたセム。新聞社に就職した少女オードリー。そして判事の娘シーラ。遊びのような探偵ごっこは、徐々に本気になるが、スパイ探しは難航。シーラとの仲も裂かれる。最終的に意外なスパイを見つけ、シーラとの未来も見えてくる余韻を残すが、階級社会イギリスと戦争の暗さが背景になっている。日本の中学生では、背景が理解しにくいかも。