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はじめての北欧神話

 

はじめての北欧神話 (児童書)

はじめての北欧神話 (児童書)

 

 世界の始まりから、最後の戦いによりすべてが滅び、新しい世界が再生する壮大な北欧神話の世界を低年齢向けにするのは難しいかと思ったが、かなり成功している。とりわけ「ウートガルザロキの城で」のエピソードは、ロキが巨人とさまざまな競争をして負けるが、実は“巨人”だとおもっていた敵は、“炎”であったり“考え”や“老い”であったことが明かされる。こうしたイメージの広がりがなんとも魅力。ただ、これでは終われない。「はじめての」の次がほしいところです。