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さよならのドライブ

 

さよならのドライブ (文学の森)

さよならのドライブ (文学の森)

 

 

親友は引っ越しちゃったし、大好きなおばあちゃんは入院している。落ち込んでいるメアリーの前に突然現れたのは、昔風の服を着て、どこかみおぼえがあるようなおばさん。それは、若くして死んだおばあちゃんのお母さんだった! 思春期に入り、変なことばかりする二人の兄への違和感。自分も、そんな風に(おかあさんに抱き着いたりしなくなる、という予感も感じている。幽霊とであっても動じないおかあさんも、なかなか立派です。ひいおばあちゃんをおばあちゃんの病室に連れて行き、女4代がドライブをしておばあちゃんが生まれた農家をもう一度見に行く。原題は「少女のグレイハンドル」で、グレイハンドル犬は死の象徴としての恐ろしい存在として描かれている。女同士の絆の中で、命が受け継がれ、死が永遠へと変わるような雰囲気は、なかなか良かった。