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8つの物語=思い出の子どもたち

 

8つの物語―思い出の子どもたち

8つの物語―思い出の子どもたち

 

 子どもの心の動きを巧みに捉えた短編集。訳もよい。亡妻と同じ名の犬を呼ぶ声に耐え切れず、隣家の犬を隠してしまう老人の物語「ナツメグ」。両親の離婚の後も、家族が仲良く楽しかったころを忘れられない末っ子が、過去の幸せは事実であるが、二度と戻らない事に気づく「まつぼっくり」など、重いテーマを自然な形で作品にできるのは、さすがピアス。