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1492年 海のかなたへの旅 クリストファー・コロンブスの大航海

 

1492年 海のかなたへの旅―クリストファー・コロンブスの大航海 (くもんの海外児童文学シリーズ)

1492年 海のかなたへの旅―クリストファー・コロンブスの大航海 (くもんの海外児童文学シリーズ)

 

 コロンブスの航海を同船していたシップボーイのペドロの視点から描いた。果たしてインディアに着くかという恐怖と素朴な現地人をつかまえるコロンブスをみての反感。ペドロの反感の説明に、かつてヤギの子を手放したときの母ヤギのなげきを描いているが、当時の価値観の中で他者を奴隷にすることへの反感を感じるとはどういうことなのかが、これで十分なのだろうか? いっそのことそれに気づかない主人公というのもありかも。歴史小説の難しいところを感じる。