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闇の女王にささげる歌

 

闇の女王にささげる歌

闇の女王にささげる歌

 

 古代ブリテン最大のローマへの反乱、イケニ族の女王ブーディカの乱が、竪琴師によって語られる。誇り高い女王。女系の習俗を理解しないためのローマの過ち。ムチ打ちと強姦という屈辱についに立ち上がるが、互いに争っていた過去から、団結できない部族。とりあえずの勝利と略奪品で、散ってしまう味方。多くの困難の中で、母なる森に生贄(生き残った女性たち)をささげ、最後の決戦に挑む。訓練の行き届いたローマ軍の前に最後に敗れる姿は、軍事大国の前に敗れる自然の民の普遍的な悲劇と誇りを訴える。