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タイの少女カティ

 

タイの少女カティ (文学の扉)

タイの少女カティ (文学の扉)

 

 タイの農村で豊かな祖父母とおだやかに暮らすカティ。だが、カティはおかあさんが恋しかった。だが「おかあさんに会いたいか?」と聞かれ、再会したおかあさんは難病で明日をも知れぬ命だった。のどかなタイの風俗とカティの喪失感が叙情的に描かれている。タイでは超エリートと思われるおかあさんの設定が気になるが、作者自身の経歴を重ねているのかも。あまり知らない国の現代が舞台なのは評価したい。