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インカの村に生きる

 

地球ものがたり インカの村に生きる

地球ものがたり インカの村に生きる

 

 南米ペルーのケロは、インカの昔からの暮らしが続いている。子どもも2歳くらいからもう家の仕事を手伝い、学校へは1年くらいしかいかない。だが、助け合い、楽しく暮らしている。山の下ではトウモロコシを、中腹ではジャガイモを高地ではリュマを飼う。移動しながら、それぞれに適した農作物を植える。他の暮らしを知らず、そこで大きくなり親と同じ暮らしを送ることで得られる安定は、集団生活をする動物としての人間にとてもあっているように思う。だが、他の暮らしを、知っては、もうこの暮らしはできないかも。珍しい暮らし、というより生き方の多様性として関心を持ってもらえると良いと思う。