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フクロウはだれの名を呼ぶ

 

フクロウはだれの名を呼ぶ

フクロウはだれの名を呼ぶ

 

 『狼と暮らした少女ジュリー』の作者。絶滅に瀕したマダラフクロウを救う森林保護のため、木こりの父さんは失業してしまった。ボーデンは、ふくろうを殺してしまいたいほど憎んでいたが、偶然一羽の子フクロウを保護した。他の種類のフクロウと思い、家に連れて帰ると、思いがけず父さんが徐々にそのフクロウへ愛情をもつようになる。氾濫する川。とれなくなった魚。一家は徐々に、自然のつながりに気づく。フクロウの成長と共に、まだら模様があらわれ、父さんは、自分が憎んでいたフクロウだったことを知るが、その時には、新しい生き方を踏み出す決意をしていた。全体に少し理想主義だが、自然描写やフクロウの生態もよく書けている。