ゆうたが、ぐずぐす靴をはいていているりくくんを「はやくしろよ」となぐるとジャリーンという音がどこからかきこえてきた。足が悪いここみちゃんが落とした本をけとばした時も同じ音が、そして「きもちぎんこう」から通帳がいっぱいになりそうだから来るように、というハガキが届きます。行ってみると、黒いコインで通帳はもうすぐいっぱいになりそう。黒いコインには「いじわる」「ふしんせつ」など書いてあり、100枚たまるといい心がからっぽになるといわれました。不安になったゆうたは、一年生の女の子の風で飛ばされた帽子を拾ってあげたり、おばあさんの荷物をもってあげたりします。いいことをすると銀のコインがたまって、黒いコインがなくなるのです。という、ムチャクチャわかりやすい話。なんだか道徳教材のよう。コインのためにいいことやるの? いいことをやりたくても素直にできないときの気持ちとはどうやってつきあえばいいの? と、つっこみどころは満載ですが、とりあえず「きもちぎんこうに銀色のコインをためられるようにがんばりたい」と書けるので、感想文向きの本かもしれません。