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大村智ものがたり(2016 高学年 課題図書)

 

大村智ものがたり~苦しい道こそ楽しい人生

大村智ものがたり~苦しい道こそ楽しい人生

 

 家の手伝いをしながらスポーツにも熱中した子ども時代。農家の長男だったため、進学しないと思っていたのに、親に勧められ急に山梨大学に進学した経緯。卒業後、都内の定時制高校で教えながら大学院に通い、論文は英語で書く習慣も身に着けた東京時代。卒業後山梨大に就職するも、更なるチャレンジのため、再度上京、そして留学と努力を続け、ついにノーベル賞の受賞につながる発見を行う。親が、これぞ伝記!と思うような、努力とまじめさの物語。これで感想文を書くとすれば「努力の大切さをしりました。」「家の農業を手伝ったり、スポーツで体を鍛えたことが、大人になってからも役にたつのは素晴らしい」ということでしょうか。書きやすいといえば書きやすいですが、模範生すぎてワクワクしない展開。読んでいると、山梨大で閉塞感感じたり、予算削減にあったり、お見合いが本人の前に相手の母親が出てきたりと、つっこんだらおもしろいエピソードがあるのに、そういうところをむしろ淡白に流して書いている。大村氏に気を使って描いているの??