児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ワンダー(2016 高学年 課題図書)

 

ワンダー Wonder

ワンダー Wonder

 

生まれつき顔に障がいがあるオーガスト。何回も手術を行い、顎を成型し、目の位置を直したが、それでも見た瞬間、だれもがぎょっとする外見だ。両親は心から彼を愛してくれるし、おねえちゃんも、お姉ちゃんの友人も仲良くしてくれていた。だが、10歳になり、ようやく入退院が落ち着いたのをきっかっけに、初めて学校という外の世界に踏み出した。先生に言われてしかたなくつきあいだしたが、気付いたら本当に仲良くなっていたジャック。だが、オーガストを気味悪がるクラスメートとしゃべっているときに、つい「先生にいわれたから」と言ったのをオーガストに聞かれてしまう。サマーは、誰も一緒の席についてくれないオーガストの席に来てくれた女の子。だが、一方で、かっこよくて金持ちだけど、裏で陰湿な嫌がらせをするジュリアンや、遠巻きにする大勢のクラスメートがいる。おねえちゃんのヴィアは、まちがいなく彼を大切に思っているが、常にオーガストが最優先の家の中や、障がい者の姉であることにふと疲れてしまう。外見ゆえうとまれる経験が続くが、他校と一緒のキャンプでトラブルに巻き込まれたとき、クラスのみんながオーガストを守るためにかけつける!

一年の子どもたちの成長は、オーガストだけではなく周りの子どもたちの上にも描かれていることがうれしい。

今年度の課題図書では一番いいと思うが、いかんせん高学年でこれを読みこなすのは、かなり大変でしょう。中学生の部にすればよかったのに~です。