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死の艦隊 マゼラン航海記

 

死の艦隊 (学研ベストブックス)

死の艦隊 (学研ベストブックス)

 

 初の世界一周を成し遂げたマゼランの航海記。強い意志で船を進めるマゼランは、反逆者を無人島に置き去りにする非情さに満ちているが、そこまでしないと辛すぎる航海の統率がとれない航海のすさまじさを感じる。航路をさぐり、ポルトガルを警戒し、原住民の敵意も受けながら進む姿は壮絶。5せきの船、234人の乗組員で出発し、3年後、1せき13名がやっと戻ってくる。マクタン島でマゼランが亡くなったのに、彼に世界一周の名誉が与えられたのは、彼の傑出したリーダーシップのためだとよくわかる。