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トリポッド=2 脱出

 

トリポッド〈2〉脱出 (ハヤカワ文庫SF)

トリポッド〈2〉脱出 (ハヤカワ文庫SF)

 

 三本足の侵略から100年余。文明は失われ人口も減り、人々は中世のように暮らしている。14歳になるとトリポッドよりキャップをもらう戴帽式があり、批判精神を失ってしまう。ウィルは、キャップに漠然と不安を感じているが、ある日、はぐれ者(キャップ装着に失敗し精神を病みさまよう)の一人が、自分ははぐれ者のふりをする自由人で、キャップのない国があると教えてくれた。脱出を計画するが、不仲ないとこヘンリーがついてきてしまう。途中発明の才能のあるビーンポールも加わり、三人はスイスの山をめざす。だが、途中ヘンリーは病気となり伯爵家で介護されるうち娘のエロワーズに惹かれて留まろうかと迷う。だが、彼女はすでにキャップをかぶりトリポッドに嬉々として召し出されていった。再出発した三人はトリポッドに追跡され対決。ビーンボールが古代都市から持ち出した武器(手榴弾)で倒し、ついに自由の地にたどり着く。不仲なヘンリーといやいやながら同行する道行など、おもしろく読ませる。でも、トリポッドに支配されている人からの盗みで生きてる自由人ってあり?