児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

五感の力でバリアをこえる

 

ほかの人と違うというで、不便であったり、不利なことはあるが、おかしいことではない。たとえば色覚異常は、見えない色があるが、逆に普通の人が区別できない色の違いを識別できる場合もある。目が見えないことによって豊かになる触覚の世界など、障がい者を「かわいそうな人」の枠に押し込めず、互いの世界を知ることが大切。点字がついていても、かんじんの入力画面がタッチパネルの券売機など、実際に視覚が不自由な方の立場にたっていない機械など、さまざまな問題をていねいに掘り下げていて、リアルに世界を違う視点で見ている方の見方を考える契機となる。