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プロイスラーのクリスマス物語 ニット帽の天使

 

ニット帽の天使―プロイスラーのクリスマス物語

ニット帽の天使―プロイスラーのクリスマス物語

 

慎ましい暮らしの中のクリスマスの幸せを描いた短編集。地味な作品だが、イラストもよい。とりわけ自身の教師時代を描いたと思われる「ほんとうのベツレヘム」は、楽しく子どもたちに文法や作文を教える様子がおもしろかった。降誕の物語が、すぐ隣の村の物語として現れるようすは、この喜びが、今・ここにある、というプロイスラーのメッセージのようだ。