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ねらわれた王座 ガーシア国三部作3

 

ねらわれた王座 (カーシア国3部作)

ねらわれた王座 (カーシア国3部作)

 

 3国に一度に攻め込まれたガーシア。おまけに、大切なイモジェンがさらわれる。海賊の協力を取り付けたのち、救出に向かうが、目の前で倒れ死んでしまった。絶望して捕虜になるジャロン。物語としては劇的だけど、こういう王はどうなんだ? ローデンとの見せかけの不和や、偽の伝言、川をせき止めた地形を利用した勝利など、ちょっとアルアル。最後の土壇場で、かつてジャロンを偽王としたコナーが、祖国のために彼を助け命を助け、イモジェンは実は生きていて、やさしい婚約者アマリンダは、トビアヌスと愛し合い、都合の良いハッピーエンド。後になるにつれ、場当たり的なハラハラドキドキになるのが残念。もう少しきっちり伏線を張ればいいのに。戦争で、国民はどれだけ死んだの? 死者の遺族をどうするの? ジャロンよ。日常の維持が、一番大変だよ~