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ペカンの木のぼったよ

 

ペカンの木のぼったよ (こどものとも傑作集)

ペカンの木のぼったよ (こどものとも傑作集)

 

 みっちゃん(女の子)とりんちゃん(男の子)は、とてもなかよし。りんちゃんは、赤ちゃんの時の病気のせいで、体もよく動かせないし、ことばもうまくしゃべれません。でも、みっちゃんのおしゃべりを一所懸命にきいてくれるので、みっちゃんはうれしくてたまらないのです。その日もペカンの木の下で寝ているりんちゃんに、途中で、5匹の猫がくっつきあって猫ザブトンになっていたことを話しました。すると、友達も集まってきて猫ザブトンごっこが始まります。そのうちみんなはペカンの木登りをはじめますが、りんちゃんも登りたそう。みんなは手を貸してりんちゃんを持ち上げようとしますが、さすがに無理。すると先生が来て、おんぶで登るのでもよいかと聞いてくれます。そしてペカンの木からの風景を楽しむことができたのです。小さなエピソードを日常の子どもたちのかかわりを描きこむことで、説得力のある楽しい日常の一コマとして、豊かに表現しているのが魅力。