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スラムにひびくバイオリン

 

スラムにひびくバイオリン―ゴミを楽器に変えたリサイクル・オーケストラ

スラムにひびくバイオリン―ゴミを楽器に変えたリサイクル・オーケストラ

 

パラグアイの実話をもとにした絵本。よみきかせには、ちょっと長め。ゴミの山から使えるものを拾い出す仕事が主に収入源のスラムでアーダは育った。未来への希望はなく、けんかや盗難が横行している。ところが、そこへ楽器を教えようと言い出した人物チャベスがやってきた。祖母が申し込んだため、習いに行ったアーダは心惹かれるが、楽器は高価で買えない。ゴミをリサイクルして手作り楽器をつくることにした。チャベスの要求は高かったが、アーダは懸命に練習し、それによって自信もつけていった。やがて、このリサイクル・オーケストラは評判になり、最初は地域で、都会へ、そして外国公演まで行うようになり、大勢の生活を改善させた。「モノ」よりこうした「感動の物語」が、今収入になるのだな、と思いました。