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ぼくたちのリアル(2017 小学校高学年 課題図書)

 

ぼくたちのリアル

ぼくたちのリアル

 

 頭がよくて運動神経抜群、見た目もかっこいい上に、性格は明るくさわやかでおちゃめな璃在(リアル)。璃在がいると、クラスはパッと明るくなる。でも僕、飛鳥井渡はちょっと苦手。家が隣同士で幼馴染だけど、差がありすぎて気後れする。だけど、5年生になって初めて同じクラスになってしまった。そしてやってきた転校生川上サジ。女の子も真っ青な美形でだが、サジが間に入ってくれたおかげで渡はリアルへのこだわりを少しづつ無くしていく。そして完璧なリアルが抱えている暗い過去。リアルのここまでいいやつがいるのか? という良さが嫌味なく書かれていて読んでしまう。それができるのは渡というちょっと屈折してリアルを見ている視点があるせいだろう。新人で、これだけ描いたってスゴイが、強いていうとこれで小学校5年生か?だよね。中学一年位の設定でも、全然いけそう。感想文として書くとしたら、リアルみたいな子がクラスにいたら、とするか、渡に自分を重ねるか? というのが王道かもね。