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サイモンvs人類平等化計画

 

サイモンvs人類平等化計画 (STAMP BOOKS)

サイモンvs人類平等化計画 (STAMP BOOKS)

 

 主人公サイモンはゲイだけど、実際のところゲイを問題にする必要がないくらい普通の感性の男の子。そんな子がゲイであることを悩まなきゃならないことが問題か! 17歳のサイモンは、学校裏掲示板で偶然見つけたブルーにピンとくるものがあって、匿名でメールのやり取りをしている。ブルーにならなんでも打ち明けられるし、ブルーも心を打ち明けてくれる。ちなみに、サイモンの家族は古き良きアメリカンファミリーで、夜にはみんなでそろってテレビを見ながらワイワイするのが恒例。家に帰ると、学校でのできごとを親に話すのが日課だ。外でハメを外してお酒を飲んでしまった罰は、1週間パソコン禁止で携帯も取り上げ! それにまたサイモンがおとなしく従っている。日本の子だったら、1週間携帯取り上げとか言ったら12歳でも「無理」というんじゃないだろうか? アメリカの児童文学みていると、こうしたことが意外とある。原書も2015で現代が舞台なので、信じられない気もするが、他方でSEXはしていて当然と認識している。サイモンは、ゲイだとマーティンに知られたことをネタにクラスのアイドルのアニーとの仲を取り持つように強制されて悩むのだが、学園祭の演劇発表を中心として、ブルーの正体を探しているうちに、実は友人たちのプライベートを知らないことに気づいたり、親をうっとおしく感じ始めてる自分に気づく。最後は無事にブルーの正体もわかり相思相愛のハッピーエンドです。