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シャクルトンの大漂流

 

シャクルトンの大漂流

シャクルトンの大漂流

 

 絵を中心としたシャクルトン物だが、文字数は多いので、よみきかせに使う本ではない。絵の雰囲気は、バージニア・リー・バートンをちょっと連想した。大画面いっぱいの氷の海、かと思うと乗せた備品のこまごまとしたイラストと、見ているだけでも楽しい。文章でも読んでいたが、実際にエンデュアランス号が破壊され、小さなボートで逃れていく様子をビジュアル的にみると、大丈夫?とより実感できる。最後に、エンデュアランス号を支援するために南極を目指したロス支援隊のことが書かれている。同じく氷に閉じ込められ、こちらは命を落とした方もいたとのこと、合わせて語られるべき事項だと思う。最後に掲げられているシャクルトンの言葉「たったひとつの真の失敗とは、そもそも冒険をしようとしないことだ」は、ちょっとかっこいいです。