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パンツ・プロジェクト

 

パンツ・プロジェクト

パンツ・プロジェクト

 

 中学校生活が始まる。だけど、リヴは喜べない。なぜなら中学校には制服があって女子はスカートをはかなければならないから。リヴはスカートが大嫌い。最近丸みを帯びてきた体にも違和感を抱えている。自分は性同一障害ではないかと気づいてきたが、大好きな母さんやマンマ、そして親友にも打ち明けられない。そう、リヴの家に父さんはいない。マンマと母さんがいるのだが、リヴは二人が大好きで、何でも打ち明けている。でも、世間は〝変な家庭”といい、自分がこうなったのもそのためのように思われたらと思うとたまらない。おまけに中学校には嫌味な女王サマキャラの女の子がいてリヴの家族をバカにし、小学校時代の親友メイジーまで取り込んでしまった。幸い、たまたま隣の席になった男の子ジェイコブは、みんなの人気者のイケ面だが、きちんとリヴのことも理解してくれた。リヴは、ジェイコブに後押しされて、女の子もズボンが認められるように校則を変えるパンツ・プロジェクトを始動する! 軽快で楽しく読ませるが、悩める主人公、親友の裏切り、新しい素晴らしい友人、親との強い絆って、典型的なアメリカYAの展開で、ちょっと既視感も。それにしても、親に何でも打ち明ける中学生って健全すぎてちょっとびっくりですが、これがアメリカの理想なのでしょうか?