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冷たい校舎の時は止まる上

 

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

 

雪の朝、寒いと不満をもらしながらも登校した8人。県内一の進学校のクラスの学級委員たち中心メンバーだ。ふと気づくと、彼ら以外は誰も登校してこない。教師もいない。さらに2か月前の学園祭でこの中の誰かが自殺したはずだとの思いがあるのに、それが誰だかわからない。なぜこんな異変が起きたのか? 自殺したのは誰だったのか? なぜその人物は自殺したのか? たいへん周到なミステリー。一人一人の不安感や悩みがていねいに描かれていて、それが明らかに謎解きの伏線になっているという構成が良かった。