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いたずらっ子がやってきた

 

いたずらっ子がやってきた

いたずらっ子がやってきた

 

 10歳のインゲは、父親を早くなくし、母親もなくなったため、都会のコペンハーゲンからバルト海の孤島ボーンホルム島の祖母のところにやってきた。都会の自由な雰囲気の中で、元気いっぱいに暮らしてきたインゲにとって、きちんと礼儀正しいおばあちゃんや体をちょっと動かしただけでもしかられる授業、女の子は校庭で遊べずに隅で固まって遊ぶようなルールは耐えられない。だが、奔放なインゲの行動を、おばあちゃんは密かに楽しんでいるよう。近所の人たちも、徐々に次は何をしでかすかと好奇心が集まる。ところが学校で仲良くなったクラウスが、いろんな家から食べ物を盗んでいることに気づいて、ちょっと心配。それにしてもインゲの悪ふざけは、よその洗濯物をふりまわしたりと実害を及ぼすほど、マジでこれで許すのはエライかも。当初厳しかったおばあちゃんの態度の理由がわかり、母親の死をどう受け止めればいいかを自分なりに決着をつけるラストは、なかなかよかった。