2018-02-18 水はみどろの宮 フィクション 中学生以上 Bおすすめ A特におすすめ 水はみどろの宮 (福音館文庫 物語) 作者: 石牟礼道子,山福朱実 出版社/メーカー: 福音館書店 発売日: 2016/03/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 山の中の小さな集落で祖父千松爺と共に住んでいる七つのお葉。お葉を取り巻く自然の中には、山犬のらんや、山の守り神ともいえる白狐のごんの守、黒猫のおノンなどがいる。この作品の魅力は、方言で語られる会話と、美しい描写だろう。きっちりしたドラマがあるわけではないのだが、見えない力を敬いつつましく生きる人々、洪水や火山の噴火という自然の激しさのなかでも、それをあることとして受け止める柔軟で強い千松爺やお葉が、神話の世界のように描かれる。清い物語、というのは、こういうのをいうのだろう。