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カレーライスを一からつくる

 

お米、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、肉、しょうがやウコンなどの全ての食材に、食器やスプーンまで、全てを自分たちの手で作ってカレーライスを食べるという一年がかりのプロジェクトが、武蔵野美術大学の関口吉晴ゼミではじまった。初めての農作業に右往左往する学生、化学肥料を使わないため、育ちが悪くて困り果て、草取りのようなつらい仕事だと参加者はガタ減り。肉を得るためのダチョウの飼育は失敗して全滅で、気を取り直してすすめたウコッケイとホロホロチョウの飼育は順調だが、かわいがっているうちにこの鳥が食べられるか不安になる。お店で買ってくれば簡単なものを作ることに、どんな苦労が裏にあるのかを知る。著者は、このプロジェクトの取材をするジャーナリストで、明らかに小学校高学年位で読めるようにまとめてある。草取りだと来ない大学生への視点も冷やかさはなく、子どもたちも素直に読めそう。