児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ジュビリー

  

パトリシア・ライリー・ギフ作 さえら書房     

 機能的には問題がないのに言葉が話せない女の子ジュディスは。まだ幼いころに、お母さんが出て行ってしまった。だが、愛情深いおばさんは、ジュディスをジュビリー(最高の喜び)と呼んで、とてもかわいがってくれている。小学校5年に上がるにあたって、ふつうクラスに入ることになったが、口がきけない子として変な目で見られるのが不安でたまらない。けれども、若いクワーク先生は熱心で、楽しい授業を工夫してくれ、コンビを組んで勉強をしたメイソンは、不器用だけど気持ちのいい男の子だった。だけど、小さい頃親友だったソフィーからはきらわれたまま。そんなある日、実の母親が近くの町に来て会いたがっていることを知る。ジュディスはおばさんに隠れて会いに行くと、母親は大歓迎してくれた。だが、それは見知らぬ人。若すぎた出産で、どうしていいかわからず姉にあずけて家を出たという気まぐれな母親の実態を知り、自分が何か悪かったから置き去りにされたのではないことを知り、改めておばさんや友人たちとの絆に気づく。まぁ、こういう展開にいくかな、という想定内でした。