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レイナが島にやってきた(2018 課題図書 小学校中学年)

 

レイナが島にやってきた!

レイナが島にやってきた!

 

 沖縄から船で行く人口13,000人、周囲50キロほどの島との設定。どの島?と思い調べてみると、そうした島はない。一番近いのが人口約8,500人周囲40キロの久米島。架空の島をイメージしたものと思われる。主人公の優愛(ゆうあ)は、4年生だが同級生の女子がいない。そこに4年生の女の子が転校してくると聞いて大喜びするが、やってきた麗菜は、変わった子だった。初日から遅刻、漢字が難しいから私はレイナだといい、先生にもパシパシと言い返す、児童養護施設から里子として来たという。一方的にしゃべりまくるので、期待していたおしゃべりはできないけど、はなしがおもしろいので、みんなレイラのはなしを喜んで聞いて楽しんだ。登校拒否の若葉ちゃんとも仲良くなったみたい。だけど、ケイヤクだから家事をすると早く帰ってしまうし、ある日、レイラを慕って抱き着いた下級生をつきとばした! いったいレイラって? と、感想文には便利な要素がてんこ盛りです。自然豊かな離島の暮らし、登校拒否、里子、友情・・・。でも、ちょっと考えると不自然な感じがする。里子でいたいなら最優先は学校でトラブル起こさないことだと思うのに、先生にもズケズケいうし。こういう子なら、過去に学校でトラブル起こしてて、それで困った経験もあるはず。それを踏まえた行動と思えない。主人公の優愛も、離島の子っぽく純朴でまじめな女の子と言う感じ。さらさらと読めるし、いかにも感想文が書きやすいけど、きちんと読むとひっかかるのは、この島自体のように、イメージで作っているからかも・・・