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りす女房

 

りす女房

りす女房

 

 昔話のような趣のある作品。いじわるな兄のもとでぶた飼いの仕事をしていたジャックは、ある日緑の服をきた小さな男が倒木の下敷きになっているのを助けてやった。男は妖精で、お礼に金の輪をくれ、生まれたてのメスの子リスの前足にはめるようにという、ジャックがそのとおりにすると、しばらくして金の腕輪をした野生動物のように絶えず辺りを警戒しているかわいい娘があらわれ、りす女房となる。ジャックは兄さんと別れ、半分だけブタをもらって幸せにくらすが、女房の不思議な様子が村人の不信を招く。うわさをきいた兄がジャックを探し当て、ブタ泥棒として彼を捕まえた。だが、りす女房はりすの姿になって塔に閉じ込められたジャックを救いにやってくる。そしてりす女房は本当の人間の女となり、二人は幸せにくらし、兄は罰を受けるという物語。素直に読めて満足だが、女房にりすの性格のまま生きて欲しかった気もする。