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王様に恋した魔女

 

王様に恋した魔女

王様に恋した魔女

 

様々な魔女が主役の短編集。『竜が呼んだ娘』のサイドストーリーのような感じで、同じ世界を舞台としている。だが、ちょっと設定を決めてパズル的に描いた感じがして、個人的にはあまり好みではない。

魔女だと告発される、というがその中で人間に紛れて結婚したり子どもを産んだりしていて、夫に気付かれて告発されたりするというのに、そこの夫の葛藤、魔女側の苦悩とかがサラサラし過ぎている気がする。そうした人間関係を書いている作品もあり、それは面白かった。

魔女が自分の子を助けるために王宮にあずけて王女の姉妹として育てさせる魔法をかける「カッコウの卵」、国の危機に必死に動く平凡な姫を支える「三人の杖殿」などが個人的には好みでした。