伊勢神宮の社殿の奥にある、通常は立ち入り不可の地域に入り、人の手が入らぬ森を撮影した写真集。文字まで緑と、森のイメージを強く出している。単に美しい写真というだけでなく、倒木更新も紹介されている。また江戸時代に、お伊勢参りの客のため広葉樹を伐採し、それまで広葉樹の中に生えていたヒノキをまとめて育てようとしてうまくいかなかったという、先行した自然破壊エピソードも入れている。
こうすればよい、と人間が簡単に考えた通りには自然がコントロールできないというのは今に始まったことではなく、未だ繰り返されているかと思うと嘆息してしまう。単に美しいだけではない森の姿が紹介されている。
