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ただ、見つめていた

 

ただ、見つめていた (児童書)

ただ、見つめていた (児童書)

 

家族連れでにぎわう海岸で、いつも隅にすわってみている女の子。とりわけ気持ちが惹かれているのは両親と男の子と女の子の家族。そして監視員の青年だった。家族連れは、いつでも仲良さそうで、兄さんは妹をとてもかわいがっていた。だが、実際には兄エヴァンは、家族が昔とかわってしまったことが不安だった。両親の仲が微妙にぎくしゃくしている。妹のコーリーも何かに気付いているようだった。そしてライフガードのクリスも。高校を卒業してからのこれからに悩んでいた。父親は、クリスが生まれる前に死んだ兄のことで、今もおかしい。クリスは、できたら兄が事故死する前に駆けつけて、兄を救いたかった。そんな3組の思いが語られる中で、一つの物語が進む。怪物にとらえられている女の子の物語。そして、最後、互いにただの顔見知りだった3組がある事件に立ち会うことになる。全体に、こう進むんだろうな、という風に進んだが、エヴァンとコーリーの両親は結局どうなのか、クリスはあの事件で乗り越えたといえるのか、ちょっと書き足りてないところが気になる。ちょっとミステリー風でよませるけど。