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パンプキン 模擬原爆の夏

 

パンプキン!  模擬原爆の夏

パンプキン! 模擬原爆の夏

 

 主人公は5年生の元気な女の子ヒロカ。同い年の東京のいとこ匠が、近所に住む祖父のところに夏休みに2週間も来るときいて驚く、匠は、ヒロカの住む田辺に終戦間近に落とされた原爆投下の練習用模擬爆弾パンプキンを調べにきたのだ、いつも行っている近くのコンビニにパンプキンの碑があるのに気付いたヒロカは驚くが、練習用だなんてひどい、と憤慨しつつも、日本も戦争中には原爆を作ろうとしたことや中国や朝鮮でひどい行いをしたことを知って混乱する。何が正しいかなんて、簡単にわからないけど、しってしまった驚きを他の人にも伝えて、これからも考えていこうと思う。「若おかみ」シリーズの作者らしい、軽快なノリで読ませるところは魅力。もう一歩ふみこんでほしい面はあるので、紹介するなら他の本と組み合わせるとよさそう。