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いのちは見えるよ

 

いのちは見えるよ (いのちのえほん)

いのちは見えるよ (いのちのえほん)

 

 小学生のエリちゃんの隣に住む、全盲のルミさんと弱視のアキラさん夫婦に赤ちゃんが生まれることに。出産に立ち会ったエリちゃんは、産む苦しみや喜びを目のあたりにし、赤ちゃんの声を聞いて感動し自分も泣いてしまう。生まれたのはルミさんにそっくりな女の子。「ルミさん、見えたらいいね」と言ってしまったエリちゃんに、「見えるよ。いのちは見えるよ」とルミさんは答える。いのちが見えるってどういうこと?ママやパパに、自分が生まれるときのことを聞いたり、学校にルミさん夫婦と赤ちゃんを招いて話してもらったり、みんなで赤ちゃんを抱っこしたりしながら、エリちゃんは「いのち」について考えを深めていく。
視力に障害のある夫婦の出産、子育てを題材にしていることでテーマが広がってしまい、「見える」という意味がかえって複雑になるように感じた。第49回(2003年)課題図書。