昭和11年刊行の復刻版。当時の情勢を想像すると、美しい表紙絵に感動する。当時の少国民にあたる今の年代の子どもには、難しい作品が並ぶ。石井桃子さんが戦後、宮城県の小学5年生にトルストイの「人間は何で生きるか」を読み聞かせたそうだが、今なら進路と現実に向き合い始める中学3年生ごろに、アインシュタインの「日本の小学児童たちへ 他一篇」や、ローランの「ジャン・クリストフ」などと共に出合わせてあげられたら良いかもしれない。
キプリングの「リッキ・ティキ・タヴィ物語」と、ケストナーの「点子ちゃんとアントン」は気楽に楽しめる。