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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

あかちゃんはどこから?

 

あかちゃんはどこから? (えほんとなかよし)

あかちゃんはどこから? (えほんとなかよし)

 

 冒頭「おうちのかたへ」のメッセージがよい。「赤ちゃんはどこからきたの?」という子どもの疑問を入り口に、性について本当のことを勇気をもって語り、やがて社会のあり方まで考え話し合える「基盤」をつくろうと、呼びかける。性の話から、性役割、女性の権利、性的偏見、家族のかたちなど、様々な価値観の理解につながるよう願いがこめられている。
本文では、男女の外性器の形は1人ひとりちがうことを絵で示したり、性交や出産の子どもが知りたい部分もはっきり描いていたり、それがさわやかに受け入れられる。内性器の名前や子宮の中にいる胎児の状態もわかりやすい。肌の色が違うなど人種の違うカップルもいる。家庭では、下のきょうだいが生まれる年齢あたりから、わからない言葉があっても大人が読んであげるといいと思う。最後のページは、成長の喜びも感じられる。