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1999年に生まれて

 

1999年に生まれて

1999年に生まれて

 

 17歳の高校生カールは、養子である自分のルーツ探しに執着する。同級生の母親で、ジャーナリストのフランツィスカの助けを借り、徹底的に追及していく。冷血のカールと言われ、いつも他者との間に違和感をかかえているカール。そしてついに、自分が人工授精で、さらに人口子宮で育てられた子であることを突き止めていく。カールのこだわりの激しさが、ちょっと納得がいかない気もするが、なぞ解きサスペンスとして読ませる。同著者の作品では「ブループリント」のほうがおもしろい。この本、日本での出版は1992年、今となっては1999年生まれは過去で、みんなすでに17歳を超えた。近未来設定の作品寿命は、なかなか大変かも。