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楽しいスケート遠足

 

楽しいスケート遠足 (世界傑作童話シリーズ)

楽しいスケート遠足 (世界傑作童話シリーズ)

 

 急に寒くなり、運河にしっかりした凍りが張ってきた。オランダに住むエベルトもアフケは9歳の双子の兄妹だが、やっとスケートができると大喜び。しかもみんなが大好きな先生がスケート遠足に連れていってくれることになった。転校生のシモンは、ひっこみじあんのため、まだ友だちがいなくて少し不安。待ちに待った当日。楽しく滑るが、空想に浸っていたエベルトが氷の割れ目に落ち、シモンが助ける。近くの農家で休ませてもらい、事なきを得たうえに、雪のパンケーキまでふるまってもらった。遠足は再開。湖での楽しいスケート、市場のあるまちへの到着。ところが教会見学中に、もぐりこんで探検したエベルトたちは閉じ込められる事件が発生。シモンの機転で助かり、シモンは男の子たちの仲間として受け入れられる。特別な事件はないが、子どもにとっては楽しみの塊のスケート遠足のワクワク感が満載。20世紀初めのオランダの田舎で、まだ男の子と女の子が並んで座っていなかった時代だが、素朴な村人の親切、若い担任の先生のはつらつとした雰囲気など自分が遠足の一員になったような楽しさが素敵です。