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ルドルフとスノーホワイト

 

ルドルフとスノーホワイト (児童文学創作シリーズ)

ルドルフとスノーホワイト (児童文学創作シリーズ)

 

 ルドルフシリーズも4作目。タイトルを見て、いよいよルドルフ初恋か? と期待したが、ちょっと違った展開となった。今回は、ブッチーの子どもたちが物語のカギだ。まずブッチーが大けがをする事件が発生。実は引き取られたわが子の様子を見ようと、他の猫テリトリーへと入ってそこでケンカをしてしまったのだが、真相をさぐるために向かったルドルフが出会ったのがメスネコのスノーホワイト。この地区のボスでけがをした兄猫の代わりにルドルフと対決する、きっぷのいいアネサン風ネコだ。無事に真相がわかり仲良くなったのもつかの間、今度はブッチーの娘チェリーが行方不明となる。中華料理屋の配達車に乗ったらしいことを突き止めて、車で横浜へ! 向かうはルドルフとスノーホワイトとなった。相変わらず、いろいろなアイディアで危機を潜り抜けていくルドルフ。ただ今回は新たにスノーホワイトと出会うものの、ルドルフの大きな変化は感じなかった。1巻目では新しい友人イッパイアッテナのために闘い、2巻目では自分の居場所を再確認し、3巻目で自分らしさに気付いたルドルフ君。今回はその延長くらいかな? 読んでいると、どこかお行儀のいいルドルフが安心できる友人として身近になってくる気がする。