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よのなかを変える技術ー14歳からのソーシャルデザイン入門

 

 副題にあるソーシャルデザインとは、古い常識などによって苦しむ人々がいる社会の仕組みを変えていくこと。たとえばいじめ、貧困、ホームレス、障がい者の自立など切実な課題について仕方ないと我慢するのではなく、子どもの力でも世の中の仕組みは変えることができる!と訴える。多くの活動事例を紹介し、具体的な手順などの技術(ノウハウ)を惜しみなく提供し、プレスリリース(メディアへの売りこみ)の仕方にまで触れる。ホームページやSNSを利用して容易に情報発信や仲間づくりができる現代だが、重要なのは困っている当事者への思いやりや共感だとして、直接会うことの大切さも指摘している。小学生が大人を動かした事例も紹介されているが、多くは高校生による活動事例。社会に生きる自分を自覚できるのは、やはり高校生以上だろう。