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こんにちはといってごらん

 

こんにちはといってごらん (子どもの文学―緑の原っぱシリーズ)

こんにちはといってごらん (子どもの文学―緑の原っぱシリーズ)

 

 ねずみの女の子バネッサはとても恥ずかしがり屋で友だちもいません。おかあさんはちょっと心配で試してみなさいと励まします。でも、学校でも恥ずかしくてわかっている答えも手があげられません。勇気をだしてやぎのリサに小さな声で「こんにちは」をいったら「だから、なに?」と言われて逃げ帰ります。それでも頑張って次の日はヒキガエルのシグモントに、大きな声で「こんにちは」と言ったら声が大きすぎて驚いて逃げられてしまいます。落ち込んでもう何も言わないと決意した日、でも授業で誰も答えられない質問に思いきって答えたら、先生に褒められ前の席のオオジカのクウィンシーからも声をかけられます。やっと友だちを作ることができたささやかな物語ですが、リリアン・ホーバンの愛らしいバネッサの絵の魅力もあり楽しく読めます。ちょっとおとなしい子が読んだらはげまされるかも。