児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

きっちり・しとーるさん

 

きっちり・しとーるさん (こぐまのどんどんぶんこ)

きっちり・しとーるさん (こぐまのどんどんぶんこ)

 

 しとーるさんは、いつもキチンとして暮らしています。図書館に勤めていますが、本のことを良く知っていてみんなの相談にもきっちり応えて頼りにされています。おはなしの内容からタイトルを当てたり、虫の名前をきかれれば虫に関する本を紹介したり頼りになる姿はとてもステキです。このしとーるさんの唯一の欠点は、自分がきっちりしているので、館内でつい携帯を鳴らしちゃったり、おしゃべりをしちゃう人にちょっとだけイラっとしてしまうのです。何も言わないのですが、みんなちょっとビクっとしちゃいます。ところがある雪の日、汚いノラネコの赤ちゃんが迷い込んできて、しとーるさんのペースが突然狂い始めます。著者による挿絵もとてもいい雰囲気。まじめだけどちょっと堅物なしとーるさん。そんなしとーるさんをおおらかに見守って、時には特別なことがあるのもいいのよ、とニコニコしている館長さんのコンビが運営するこの図書館にいってみたくなります。