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おかあさんとわるいキツネ

 

おかあさんとわるいキツネ (世界傑作絵本シリーズ)

おかあさんとわるいキツネ (世界傑作絵本シリーズ)

 

 モンゴルの北の果てタイガの森。木の骨組みに毛皮や布をかぶせた家(オルツ)の中にはお母さんと赤ちゃん。夕方、お母さんがトナカイの乳しぼりに出かけるときは赤ちゃんをねらうキツネに気をつけなければなりません。お母さんは赤ちゃんを守るため、赤ちゃんの鼻とほほにすみをぬってウサギに見えるようにしたり、トナカイの毛皮でくるんでトナカイに見えるようにしたり。でもある日キツネが赤ちゃんをさらってしまいます!お母さんはすぐさま大トナカイの背に飛び乗り、風や雪をものともせず山を駆け登り赤ちゃんを無事に取り戻すのです。

それ以来お母さんは、なめし皮をキツネの形に切り抜いたものをお守り代わりにゆりかごの上に下げるようにし、キツネは二度と赤ちゃんをおそわなくなったという話。

モンゴルの風習の由来話だそう。本文ではお母さんが1人で赤ちゃんと家を守っていますが、裏表紙で父親がトナカイに乗って戻ってきてほっとします。