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もぐらはすごい(2019課題図書小学校低学年)

 

もぐらはすごい

もぐらはすごい

 

 作者は社会学部出身で美術学校スクリーン工房等で学び、他にも植物をテーマにした児童書の実績はあるが、モグラの専門家ではない。モグラの専門家の監修は受けており、巻末に文章を載せている。全体に淡々とモグラの解説をしているが、正直、モグラについてよくわからなかった。これは、モグラについて不明なことが多いためでしかたがないせいだろうか?例えば、基本の「掘る」ところ、大きな手で土を掻き出すとあるが、図で見ると、掻き出したところは、後ろより広い。この後、この土はどう動くのだろう。「ほったつちのあまりはじめんのうえにおしあげる。」というが、余らない土はどう処理されているのだろう?圧縮??? それっぽいけれど、どうもわからない。「すごい」というポイントは「アイマー器官」と呼ばれる鼻先の器官の働きによると思われるが、これはモグラしか持っていないのか? ヒミズモグラとどう違うのか? たくさん食べるとか住処が広いとか、どうやってし調べたんだろう? 漠然とわかるが、穴の掘り方ひとつとっても具体的なことが理解できないというのはどうなのか? もし、これで感想文を書くとしたらどうすればいいだろう? 砂場で山を作って、それにトンネルを作る穴掘りとか、小さい子には身近だと思うけど、私がやるならそういう実体験をしてみてモグラがしていることを考えるかな? と思った。