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願いごとの樹

 

願いごとの樹

願いごとの樹

 

 主人公はレッドオークの木である私ことレッド。願い事の木として、いろいろな人が私の枝に願いを結びつける。この国はさまざまな移民を受け入れてきたが、すぐ隣の家に越して来たスカーフで髪を覆うサマールの家族はみんなの中にうまく入れないようなので私は心配している。おまけに、私の幹に「去れ」と嫌がらせが彫られてしまった。私はもう片隣のスティーブンとサマールが仲良くなれるように、木に住んでいる生き物たちに協力してもらった。二人の後押しをしようと、私は禁を犯し、二人に話しかけ自分が「願い事の木」になった由来を話してしまう・・・。原書発行は2017。排他的になっているアメリカで、移民の原点を振り返るように願って書かれた物語かと思う。だが、個人的には「去れ」と彫った男の子のこともちゃんと描いて欲しかった。