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モノ・ジョーンズとからくり本屋

 

モノ・ジョーンズとからくり本屋 (ものがたりの庭)

モノ・ジョーンズとからくり本屋 (ものがたりの庭)

 

 5歳の時にネティの本屋さんに置き去りにされた女の子がいた。その時10歳だったネティの息子のマイケルが、その子を落とし物の棚に置いたせいで、女の子は落とし物の「モノ」という名前になった。みんなで寝る前に本を読む習慣があったけど、モノはなんとなく真似をしてたので、ネティもマイケルも、モノに字を教えるのを忘れたせいで、モノは字が読めないまま11歳になったけど、本屋なのに字が読めないなんて、恥ずかしくて言えずに秘密にしていた。だけど、ジが読めない分、何でもよく観察する子になっていた。そのころネティの本屋は売れ行きが落ちていて、困っていたのだが、大変な幸運が転がり込んできた。有名な<モンゴメリー本の王国>の本屋さんをもらえる抽選に当たり、いろいろな本の部屋がレバー操作で現れるからくり本屋が手に入ったのだ。だが、直後にエリオットとギンベルという二人組が現れる。モンゴメリーに売ったシェイクスピアの直筆原稿の代金をよこせというのだ。調べると、モンゴメリーは、その戯曲にレモネードをこぼしてダメにしてしまい、逃げるためにネティに本屋を譲ったことが判明。エリオットたちは、<モンゴメリー本の王国>だけでなく、ネティの本屋や全財産まで賠償で取り上げてしまう。だが直後に、モノは鋭い観察眼で、シェイクスピア原稿が偽造であることを見抜いた。しかも、エリオットは偽造の名手で、これから大量の偽造古書で大儲けしようとしていたのだ。良心の呵責を感じて戻ってきた4人は、偽造古書が、偽造だとわかるように細工することで、二人の犯罪を明らかにすることに成功するが、エリオットもまたモノが字が読めないという秘密をばらしてしまった! 物語は二転三転しながらハッピーエンドに向かいます。とはいえ、ナンセンスストーリーとはいえ、モノは学校に行かないの? とか、偽造を見破るヒントはマイケルに教えてもらった知識だったりなど、なんだか設定が雑な感じが、個人的には好きになれませんでした。ロアルド・ダールが好きな小学校高学年の子どもに読んでもらって、感想が聞いてみたいです。