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あなたはちっともわるくない(だいじょうぶの絵本2)

 

あなたはちっともわるくない <だいじょうぶの絵本 2>

あなたはちっともわるくない <だいじょうぶの絵本 2>

 

 遊んでいてけがをしたたろくまと一緒にやぎ先生の病院へ行ったちびくまは、脚やお腹のあざを心配される。ちびくまは両親から虐待を受けていた。やぎ先生はあなたが悪いのではない「いやだ」「やめて」と言っていいと教える。
でも、ちびくまに「あなたはわるくない」と答えてくれるのは公園のすべり台や木だったりして人(くま)ではないので、ほっとして心が温かくなったというラストは疑問が残る。またやぎ先生は、子どもに嫌なことをする大人には心にとげがささっているんだ、とげがぬければやさしい大人にもどれるんだと説明するが、この絵本の目的としては子ども側の視点にしぼるべき。親側のケア、周囲の対応は巻末に十分解説されている。
巻末解説に2017年改正の児童虐待防止法が掲載。さらに先月(2019年6月19日)改正児童虐待防止法が成立しています。