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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

防災教室 身の守りかたがわかる本

 

防災教室 身の守りかたがわかる本

防災教室 身の守りかたがわかる本

 

地震を中心に、災害時の身の守り方(学校や家で、町中や海山で)、普段の備え、避難のための情報収集などについて豊富なイラストや写真とともに解説。防災グッズを実際に使ってみる防災ランチや停電・断水ごっこなども提案する。

身を守るためのダンゴムシのポーズやランドセルのふたをかぶせて頭を守るなどは、幼児や低学年にもイメージしやすく1人でもできそう。繰り返し出てくる3つのルール「見る・聞く・かぐ」がわかりやすい。学校でよく言われる合言葉「お・は(か)・し・も」=「おさない・走らない(かけない)・しゃべらない・もどらない」より直感的で勢いよく唱えられそうで、いい気がしませんか。
「こどものための」とついていますが、情報量が多く内容も多岐にわたっていて子どもと大人が一緒に学ぶ本です。「はじめに」にもあるように、いつどこでどの程度起こるかわからない災害時には、親が子どもを守りきれないことがあります。「自分の身を自分で守れる」という言葉は、定期的な訓練機会の少ない大人自身こそ強く意識しなければと思いました。東日本大震災(2011)、西日本豪雨(2018)、北海道胆振東部地震(2018)の被災者の声が紹介されているので、自分自身が切実に感じるところからぜひ備えを始めましょう!